JAQUARD/CUT JAQUARD


■写真やイラストも生地に!ジャカード織の魅力

平らな生地の表面に、立体的に浮かびあがる色とりどりの柄や模様。自分の描いたイラストを柄にしたり、一つの素材の中に異なった組織を多数組み合わせたり、複雑なデザインを織り上げることができるジャカード織。
播州織の中でも、個性的な素材のひとつです。
自由度の高さが魅力のジャカード織ですが、一方、ジャカード織を専門とする工場でなければ、織り上げることができない生地でもあります。

■自由な柄を織り上げる特殊な織機

柄の図案が完成すると、デザインをデータ化した「紋紙(もんがみ)」を専門の職人が作ります。糸の配置や配色など、織り上がった柄が美しく見えるレイアウトを考えながら作成。その紋紙を元に、ジャカード織の専門織機で織り上げます。

様々な柄に対応できるジャカード織機。そのため、経糸を操作するための機械は、通常の織機よりも大きな装置が備わっています。
その機械が据えられているのは、膨大な量の綜絖(*そうこう)を操る、長い吊りひもの先。建物2階分ほどにあたる高い位置です。
*綜絖:緯糸を通すため、経糸を上下に分ける器具

■糸を切って生まれる新たな表情、カットジャカード

柄も織機も個性的なジャカード織の中には、カットジャカードやカットドビーと呼ばれるものがあります。柄として残したい部分だけ、生地のベースを構成する糸とは別の糸で織り込み、糸の不要な部分を切り取って作る素材です。

織り上がった生地は、糸のカットを専門とする工場で機械に何度も通し、生地に残す糸の長さを揃えます。機械だけでは切り取りきれない糸は、職人たちが手作業でカット。最後に、一つひとつの糸端を丁寧に整え、ようやく完成。

こうした手間暇のかかるカット工程に携われる工場は、産地内でも数件しかなく、この産地でつくるカットジャカード、カットドビー素材は希少なものとなりつつあります。

 

■日常に取り入れやすい華やかさ

カット後は、短く残した糸が断面がふわっと開き、刺繍とはまた違った立体感のある表情を見せます。
シャツ地の生産が盛んな播州産地では、フラットな表面の素材が多いため、このカット技術で生まれる表面感は人気があります。

飽きのこない、シンプルな素材やアイテムを提案するブランド:HaTaKaKe
「日々の暮らしに、ほのかな華やかさをプラスしてほしい――。」
時には、こうした技法の素材を取り入れながら、私たちの想いを表現しています。